直すか、乗り換えるか

車種別の修理費と、手放すときの判断材料

最終更新: 2026-07-28

N-BOX(JF1/JF2)の年間維持費を実計算する|13年超えると年間いくらか

「軽自動車の年間維持費は◯万円」という記事は多くありますが、その多くは比較的新しい車を前提にしています

初代N-BOX(JF1/JF2)は2011〜2017年式で、2026年時点で車齢9〜15年です。 税額は重課され、整備費は「オイル交換とバッテリー」では済まなくなります。

この記事では、JF1/JF2の条件で実際に計算します。


結論: 年間15.8万円〜26.4万円(駐車場代を除く)

先に計算結果を示します。年間8,000km走行、任意保険は平均値、駐車場代は別として、

項目13年未満13年超
軽自動車税(種別割)7,200 or 10,800円12,900円
自動車重量税(年換算)3,300円4,100円
自賠責保険(年換算)約1万円約1万円
任意保険約51,000円約51,000円
車検(年換算)15,000〜21,000円15,000〜21,000円
ガソリン代約88,000〜102,000円約88,000〜102,000円
メンテナンス費約50,000円50,000円〜(増える)
合計約15.4万〜24.8万円約15.8万〜26.4万円

税金の増加分は年間で数千円です。 維持費全体で見ると、支配的なのはガソリン代と任意保険、そしてメンテナンス費です。

以下、内訳を1つずつ確認します。


① 税金: 13年超でいくら増えるか

軽自動車税(種別割) — 毎年

区分年額
2015年3月31日以前に初回新規検査7,200円
2015年4月1日以降に初回新規検査10,800円
13年超(経年重課)一律 12,900円

元の税額にかかわらず、13年超は一律12,900円です。 JF1/JF2は生産期間が2015年4月の境目をまたぐため、前期型は+5,700円/年、後期型は+2,100円/年の増加になります。

自動車重量税 — 車検時に2年分

経過年数2年分年換算
13年未満6,600円3,300円
13年〜18年未満8,200円4,100円
18年以降8,800円4,400円

13年での増加は年800円相当です。

13年超で増える税額の合計

前期型(元7,200円): 5,700円 + 800円 = 年6,500円
後期型(元10,800円): 2,100円 + 800円 = 年2,900円

月換算で242円〜542円。 「13年の壁」と呼ばれる割に、維持費全体に占める割合は小さいというのが実際のところです。


② ガソリン代: 実燃費で計算する

維持費で最も大きく、最も自分でコントロールできる項目です。

JF1/JF2の実燃費(オーナー実測平均)

仕様平均実燃費
NA(自然吸気)15.51 km/L
ターボ13.30 km/L
カスタム ターボ13.7 km/L

ターボはNAの約86%です。

走行環境による差が非常に大きい

使い方実燃費
郊外・片道27kmの通勤23〜24 km/L
市街地・片道6kmの通勤16〜18 km/L
ちょい乗り中心12〜13 km/L
(記録上の最高)19.6 km/L
(記録上の最悪)7.1 km/L

同じ車で3倍以上の差が出ています。 短距離の繰り返しが最も燃費を悪化させます。

年間ガソリン代の試算(年8,000km)

ガソリン価格を170円/Lとした場合:

燃費年間ガソリン代
15.5 km/L(NA平均)約88,000円
13.3 km/L(ターボ平均)約102,000円
12 km/L(ちょい乗り中心)約113,000円
23 km/L(郊外通勤)約59,000円

2026年の試算ではレギュラー185円/L台で計算している例もあります。 燃料価格の上昇分は見込んでおいてください。185円/Lなら上記が約9%増になります。

なお、JF1の燃料タンクは35Lです。ターボで13km/Lなら満タン航続は400km台の計算になります。


③ 任意保険: 約51,000円(平均)

損害保険料率算出機構「2025年度 自動車保険の概況」に基づく平均保険料は、軽自動車が約51,000円、普通車が約75,000円です。

軽自動車は事故率が低く、事故1件あたりの支払額も少ない傾向があるため、保険料が安く設定されています。

ただし、これは平均です。 年齢・等級・補償内容・車両保険の有無で大きく変わります。

JF1/JF2で検討すべき点: 車齢9〜15年で車両価値が下がっているため、車両保険の必要性を見直す価値があります。車両保険は保険料を大きく押し上げる要素ですが、全損時に支払われる額は車の時価が上限です。保険料が「もらえる額」に見合っているかを確認してください。


④ 車検: 年15,000〜21,000円(年換算)

軽自動車の車検は1回あたり3万〜4万円台が目安とされています(車検基本料+法定費用。整備費用は別)。2年に1回なので、年換算で15,000〜21,000円です。

ただしこれは「大きな整備がない場合」です。

出典によって相場に幅があり、業者依頼の総額は4.5万〜14万円と開きがあります。2回目以降の目安は6.5万〜15万円で、タイヤ交換やバッテリー交換が発生すると、目安に+3万〜10万円が乗ります

車齢13年のN-BOXは、その整備が乗るタイミングです。


⑤ メンテナンス費: 年5万円は「若い車」の数字です

一般に、軽自動車のメンテナンス費は年間5万円程度が目安とされます。エンジンオイル、バッテリー、消耗品の交換です。

JF1/JF2では、これに持病の修理費が上乗せされる可能性を織り込んでください。

箇所費用の目安
CVT本体20〜35万円(故障実例は9.5万km・14万km)
エアコン一式10万円超になることも
リヤパワーウィンドウのガラス剥離10万円超の例あり
パワースライドドアのワイヤー切れ約48,000円
CVTフルード交換(予防)1〜2万円

これらは「いつか来る」ものであって、「来ないかもしれない」ものではありません。

たとえばCVTに30万円かかった年は、その年の維持費が一気に45万円前後になります。平常時の維持費だけで計画すると、この出費で判断を迫られます。


⑥ 駐車場代: 地域差が最大

地域月額年額
東京23区2〜3万円24〜36万円
郊外約1万円約12万円
地方(自宅に駐車スペース)0円0円

東京23区では、駐車場代だけで車検費用や保険料を超えます。 上の合計表に駐車場代を含めていないのはこのためです。ご自身の条件で加算してください。


リース・買い替えと比較するには

維持費を計算する目的は、たいてい「このまま乗り続けるか、乗り換えるか」の判断です。比較の土俵を揃えます。

現状維持のコスト(年間)

平常時: 約15.8万〜26.4万円(駐車場代別)
+ 持病が来た年: +5万〜35万円

カーリースと比較する場合

軽自動車のカーリースは、新車で月1万円台前半〜2万円台中古車で月5,000円〜1万円台前半が目安です。

単純比較してはいけません。理由が3つあります。

  1. リース月額に含まれる範囲を確認する。 税金・自賠責が含まれるのが一般的ですが、車検やメンテナンスが含まれるかはプランによります。任意保険とガソリン代は基本的に別です
  2. 「月1万円台前半」は超長期契約が前提のことが多い。 大手の最安例はダイハツ・ミライースの11年契約で月額14,140円です
  3. リースは原則として中途解約できません。 解約時は残期間分の一括請求になり、走行距離制限と原状回復義務もあります

公平な比較の式:

現状維持 = 税金 + 保険 + 車検 + ガソリン + 整備 + 持病リスク
リース   = 月額 × 12 + 任意保険 + ガソリン + (プラン外の整備)

この2つを並べてはじめて比較できます。 リース会社の「月々1万円台」だけを見て現状の維持費と比べると、含まれる範囲がズレます。

判断のポイント

現状維持が有利なのは、車がまだ健康で、持病が出ておらず、車両保険を外せる場合です。年15.8万円なら月1.3万円で、リースより安く収まります。

リース・買い替えが有利になり得るのは、CVTやエアコンに症状が出ていて、まとまった出費が読める場合です。ただし契約年数を最後まで乗り切れるかを先に考えてください。


維持費を下げる現実的な方法


次に読むべき記事


この記事について

出典