N-BOXの13年目の車検、通すか乗り換えるか|増税額は2年で5,800円〜13,000円です
「13年を超えると税金が上がるから、そろそろ乗り換えたほうがいい」——よく聞く話です。
では、実際にいくら上がるのか。先に答えを書きます。
| あなたのN-BOX | 13年目の車検からの2年間で増える税額 | 月換算 |
|---|---|---|
| 2015年3月31日以前に初回新規検査 | 約13,000円 | 約542円 |
| 2015年4月1日以降に初回新規検査 | 約5,800円 | 約242円 |
月に242円〜542円です。
この金額だけを理由に乗り換えるのは、合理的とは言えません。 13年目の車検を「通すか、乗り換えるか」の判断材料は、増税ではなく別のところにあります。
まず税額を正確に整理し、そのうえで本当に見るべき数字を示します。
増税の内訳: 上がるのは2種類の税金
「13年の壁」と呼ばれるものの正体は、軽自動車税(種別割)と自動車重量税の2つです。
① 軽自動車税(種別割) — 毎年かかる
| 区分 | 年額 |
|---|---|
| 2015年3月31日以前に初回新規検査 | 7,200円 |
| 2015年4月1日以降に初回新規検査 | 10,800円 |
| 13年超(経年重課) | 一律 12,900円 |
ここが重要なポイントです。 13年を超えると、元の税額にかかわらず一律12,900円になります。
つまり、元の税額が安かった車ほど、増額幅が大きくなります。
| 元の年額 | 13年超 | 増額 |
|---|---|---|
| 7,200円(2015年3月以前) | 12,900円 | +5,700円/年 |
| 10,800円(2015年4月以降) | 12,900円 | +2,100円/年 |
JF1/JF2は2011年12月〜2017年の生産なので、前期と後期で増税幅が2.7倍違います。ご自身の車がどちらかは、**車検証の「初度検査年月」**で確認してください。
なお、この重課は平成28年度の税率改正で導入されたもので、環境負荷の大きい車に重い税を課し、買い替えを促す目的とされています。電気自動車などは対象外です。
② 自動車重量税 — 車検のたびにかかる
| 経過年数 | 税額(自家用・車検2年分) |
|---|---|
| 13年未満 | 6,600円 |
| 13年経過〜18年未満 | 8,200円 |
| 18年経過以降 | 8,800円 |
13年で**+1,600円**(2年分)、18年でさらに**+600円**です。
合計すると
13年目の車検を通し、次の車検までの2年間で増える額は、
前期(2015年3月以前): 5,700円 × 2年 + 1,600円 = 13,000円
後期(2015年4月以降): 2,100円 × 2年 + 1,600円 = 5,800円
これが「13年の壁」の実額です。
重量税の適用タイミングに1つ注意
重量税の重課には、適用開始の基準があります。
以前は「13年目となる年の12月以降に車検を受ける車から」でしたが、現在は車検証の「初度検査年月」から13年を経過した年の11月1日以降に新しい車検証が交付される軽自動車が重課対象です。
理屈のうえでは、10月31日までに車検を通せば、その回は重課(+1,600円)を回避できます。
ただし、これを狙って車検を前倒しするのは慎重に判断してください。 車検は満了日の1か月前から受けられますが、それより早く受けると有効期間が受検日基準になり、次回車検までの期間が短くなる扱いがあります。1,600円のために車検1回分の期間を削るのは、割に合わない可能性があります。
満了日がもともと10月以前の方は、意識せずとも回避できている、という程度に捉えるのが現実的です。
本当に判断材料になるのは、整備費用のほうです
増税が月242〜542円だとすると、判断を左右するのは車検そのものの費用です。
軽自動車の車検費用の相場
出典によって幅がありますが、おおむね以下です。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 法定費用(重量税+自賠責+印紙代) | 2万円台後半〜3万円弱 |
| 車検基本料 | 業者により変動(4万〜9万円という目安も) |
| 業者依頼の総額 | 4.5万〜14万円(出典により幅あり) |
| 2回目以降の目安 | 6.5万〜15万円 |
| ユーザー車検 | 法定費用のみ(約3万円前後〜) |
法定費用はどこで受けても変わりません。 差が出るのは基本料と追加整備です。
そして重要なのは、タイヤ交換やバッテリー交換などが発生すると、目安に+3万〜10万円が乗るという点です。
13年目の車検は、まさにその整備が乗るタイミングです。 増税分13,000円より、こちらのほうが桁が大きい。
13年目のJF1/JF2に、何が来るか
車齢13年のN-BOX(JF1/JF2)は、以下が同時期に来る年式帯に入っています。
| 箇所 | 費用の目安 |
|---|---|
| CVT本体 | 20〜35万円(故障実例は9.5万km・14万km) |
| エアコン一式 | 10万円超になることも |
| リヤパワーウィンドウのガラス剥離 | 10万円超の例あり |
| パワースライドドアのワイヤー切れ | 約48,000円 |
| 車検時の消耗品(タイヤ・バッテリー・ブレーキ等) | +3万〜10万円 |
「今回の車検費用」だけで判断すると、判断を誤ります。
車検を10万円で通した3か月後にCVTが30万円、というのは十分あり得る順序です。見るべきは「今後2年でいくらか」です。
判断の手順
まず: 車台番号でリコール照会(所要1分・無料)
車検の見積を取る前にやってください。
JF1/JF2には、低圧燃料ポンプのリコール(2020年から2026年にかけて8回対象拡大されています)、CVTトルコンのリコール(2020年2月届出)など、無償修理の対象が複数あります。リコールに期限はありません。
ホンダの無償修理状況検索(recallsearchp.honda.co.jp)に車台番号を入力すれば、その場で分かります。電話はHondaお客様相談センター 0120-112010。
車検の整備見積に、無償で直る項目が混ざっている可能性があります。
次に: 3つの数字を揃える
① 車検の見積(整備内容の内訳を必ず分けてもらう)
② 現車の査定額(車検を通す前に)
③ 乗り換えた場合の実額(中古車購入 or リースの月額)
②の順序が重要です。 車検を通してから売っても、支払った車検費用は査定額に反映されません。売る可能性があるなら、査定が先です。
判断の目安
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 車検見積が5〜7万円台で、整備は消耗品中心 / CVT・エアコンに異常なし | 通す。 増税込みでも年間コストは低い |
| 車検見積が10万円超 / 「次の車検までにこれも来ます」と言われている | 査定を取ってから判断。 2年で追加出費が読める |
| CVTやエアコンに既に症状が出ている | 車検費用+修理費が同時に乗る。乗り換えの検討ライン |
| 走行が15万kmに近い | 15万km・20万kmは査定の節目。超える前が有利 |
通すと決めたら: 費用を抑える方法
- 見積は「総額」で比較する。 法定費用はどこも同じなので、基本料と整備内容で比べます。24か月点検が含まれるか、OBD検査料・再検査費の扱いまで確認してください
- 「通すだけの最低価格」か「次の車検まで安全に乗るための整備込み」かを確認する。 ここで数万円変わります。ただし安いほうが常に正しいわけではありません。13年目の車は、削った整備が2年以内に故障として返ってきます
- ユーザー車検なら法定費用(約3万円前後)のみ。ただし整備は自己責任になるため、13年目の車両では24か月点検だけ工場に依頼し、検査は自分で通すといった組み合わせが現実的です
よくある質問
Q. 13年で増税されるなら、その前に売ったほうが得ですか? A. 増税額は2年で5,800〜13,000円です。これを理由に売り急ぐ必要はありません。ただし走行距離の節目(10万km・15万km)は査定に大きく影響するため、そちらのほうが売却タイミングとしては重要です。
Q. 18年でまた上がると聞きました。 A. 重量税が8,200円→8,800円(+600円/2年)になります。軽自動車税は13年超の12,900円のまま変わりません。18年の壁は13年より小さいです。
Q. エコカーなら増税されませんか? A. 電気自動車やハイブリッド車などは重量税の重課対象外です。JF1/JF2はガソリン車のため、対象になります。
Q. 車検を通した直後に故障したら? A. 車検は「その時点で保安基準に適合しているか」の検査であり、今後2年の無故障を保証するものではありません。だから見積時に「次の2年で何が来そうか」を整備士に聞くことが重要です。
Q. 13年超だと車検が毎年になりますか? A. なりません。軽自動車の車検は2年ごとのままです。かつて古い車は1年ごとという制度があったため誤解されがちですが、現在は年数で車検サイクルが変わることはありません。
次に読むべき記事
- 乗り換えを検討する場合: N-BOXのCVT交換に30万円。直すか、売るか、乗り換えるか
- 今の車の価値を知る: CVT不調のN-BOXはいくらで売れるか|減額のロジックと、業者で差が出る理由
- 今後来る故障を知る: N-BOX(JF1/JF2)の持病・弱点まとめ|修理費が高い順に9箇所
この記事について
- 本記事は、筆者の車検実例ではありません。税制度の公開情報、車検費用の相場データ、およびホンダ公式の市場措置情報を横断して整理したものです
- 税額は2026年7月時点の制度に基づきます。 税制は改正されるため、必ず最新情報をご確認ください
- 増税額の計算(2年で5,800円/13,000円)は、軽自動車税2年分+重量税1回分を単純合算したものです。納税タイミングは自治体・車検時期により前後します
- 車検費用の相場は出典により幅が大きいため(4.5万〜14万円)、実額は見積もりでご確認ください。地域・整備内容・車両状態で大きく変動します
- 重量税の重課タイミング(11月1日基準)および車検前倒し時の有効期間の扱いについては、個別の判断は運輸支局または整備工場にご確認ください
- 最終確認日: 2026年7月28日
出典
- ハイシャル「13年・18年経過の自動車税・重量税はいくら?税額がわかる早見表【2026年版】」 https://haishall.jp/column/other/13year-18year-over-automobile-tax/
- ネクステージ「軽自動車の重量税はいくら?エコカー減税や重課で納税額が変わる」 https://www.nextage.jp/buy_guide/zeikin/552983/
- 伊勢市公式「軽自動車税が前年度までは7,200円だったのに今回から12,900円になったのはなぜ?」 https://www.city.ise.mie.jp/faq/kurashi_kankyo/zeikin/1016867.html
- 軽の森「軽自動車の税金は13年経過後に上がる!税額の早見表も紹介」 https://keinomori.com/topics/trivia/car-tax-13years/
- おとなの自動車保険「軽自動車のユーザー車検費用はいくら?法定費用の内訳」 https://www.sompo-direct.co.jp/otona/oshiete/car/light-car-user-inspection.html
- ピットラボ「【2026年版】軽自動車の車検費用はどれくらい?」 https://carbits.jp/media/kei-shaken-hiyou/
- 鈴木自工「車検費用の平均はいくら?法定費用と整備料金の内訳を解説」 https://suzukijiko.co.jp/car-inspection.html
- ホンダ公式「N-BOXなど23車種のリコール(低圧燃料ポンプ)」 https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/260528_5823.html
- ホンダ公式「N-BOX、N-BOX Customのリコール」(届出4677) https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/200227_4677.html