最終更新: 2026-08-20 ・ 約17分で読めます ・ 修理費 編集部

N-BOXブレーキ異音キーキー・ゴォーの原因と費用|実例集計

「ブレーキを踏むとキーキー音がする」「雨の後にゴォーという音がする」「最近ブレーキが鳴るようになった」——JF1/JF2オーナーからこうした相談が整備工場に持ち込まれています。

この記事は、みんカラ整備手帳・Yahoo!知恵袋(carview経由)・整備工場ブログ(グーネットピット・honda-yorozu.jp・フリークのブログ)・整備士向け解説サイトの実例・Q&A計9件を横断して、JF1/JF2のブレーキ異音の原因・費用を分類したものです。筆者はJF1/JF2を所有しておらず、公開されている実例の集計を根拠にしています。実際の費用は整備工場・部品の選択によって大きく変わります。

先に断っておくと、ブレーキ異音には「清掃・グリスアップ数千円で解決」するケースから「パッド+ローター+キャリパーOH合計4〜5万円以上」まで、原因によって費用の桁が変わります。音の種類と発生タイミングを整理してから整備工場に持ち込むと、診断が早くなります。


結論: 症状・原因・費用の先出し

症状主な原因費用の目安
ブレーキを踏むとキーキー(甲高い金属音)フロントパッドのウェアインジケーターがローターに接触(残量2mm以下)フロントパッド交換のみ: 約1.5〜2万円
雨の翌朝だけゴォー・ザー音(数回で消える)ローター表面の一時的な錆(雨後に自然発生)通常走行で自然解消。交換不要のケースが多い
常時ゴォー・ザー音が続くローターの恒常的な錆・段付き摩耗ローター研磨または交換: 約1.5〜4万円
ゴリゴリ・ギィーという金属のこすれ音パッド完全摩耗でバックプレート金属がローターを直接削っているパッド+ローター同時交換: 約2.5〜5万円以上
ブレーキを踏んだ時だけ引きずり感+熱気フロントキャリパーのピストン固着(片効き)キャリパーOH: 約2〜5万円
リヤドラムからキーキー・シュー音ドラム内壁の錆・シューの鳴き清掃・調整: 5,000〜10,000円。シュー交換: 約1.5万円

費用はいずれも公開実例・整備工場の解説から導いた目安です。実例の根拠はあわせて記します。


JF1/JF2のブレーキ構造——基礎知識

JF1/JF2はフロント: ディスクブレーキ、リア: ドラムブレーキという混在型の構成です。

フロントディスクブレーキは、ブレーキパッドがローター(金属円板)を両側から挟んで制動力を得る仕組みです。パッドにはウェアインジケーター(摩耗警告用の金属プレート)が内蔵されており、残量が約2mmになるとローターに接触して「キーキー」という甲高い音を出して交換を促します。

リアドラムブレーキは、ドラム(金属の円筒)の内側をブレーキシューが押し広げて制動力を得る仕組みです。ウェアインジケーターによる音の警告機能はなく、定期的な目視点検か走行距離での管理が必要です。

このため「キーキー音はフロント由来が多い」「リヤからの異音は音の性質が違う(シュー・ゴォーなど)」という傾向があります。


詳細①: 症状別の原因と実例

「ブレーキを踏むとキーキー音がする」→ フロントパッドのウェアインジケーター

キーキー音の最多原因はフロントブレーキパッドのウェアインジケーターがローターに接触していることです。パッドの摩耗材が残り約2mmになると、パッドのバックプレートに取り付けられた薄い金属プレートがローターに軽く当たって高周波音を発生させます。

honda-yorozu.jp(ホンダ整備士が運営する解説サイト)の記述によると、N-BOXで多発するブレーキ鳴きはブレーキパッドとディスクが擦れる時に発生する振動が音になるもので、「制動力に影響がないため即時危険ではないが、放置するとローターへのダメージが進む」とされています。環境配慮で材質が変わり、以前より鳴きやすくなっているとの記述もあります。

N-BOX JF1(走行66,200km)の整備事例では、フロントブレーキパッドが「完全に使い切った状態」で持ち込まれたケースが記録されています(グーネットピット 埼玉・ワールドモーターサービス)。パッドが限界を超えて摩耗すると、次項のゴリゴリ音の段階へ移行します。

ウェアインジケーターの接触音は「ブレーキを踏んだ時だけ鳴る」「ある程度温まると収まる」「冷間時の朝一に多い」という特徴があります。これらは正常なウェアインジケーターの動作であり、早期に交換すればローターの損傷を防げます。


「ゴォー・ザー音(雨の後だけ)」→ ローター表面の一時的な錆

雨が降った翌日の走行開始直後に「ゴォー」「ザーザー」という音がして、数回ブレーキを踏むと消える場合は、ローター表面に薄い錆が一夜で発生したものです。走行中にパッドが錆を削り取るため、音は自然に消えます。

この症状は「異常ではない」とされており、修理不要です。ただし「ゴォー音が毎回走行後しばらく続く」「数日経っても消えない」場合は次項の恒常的な錆・段付き摩耗が疑われます。


「ゴォー・ザー音が常時続く」→ ローターの段付き摩耗・深い錆

駐車期間が長い、走行距離が多いなどでローターに深い錆や段付き摩耗が生じると、ブレーキを踏むたびにゴォーまたはザーという音が続きます。グーネット掲載の解説記事では「ローター表面に段差・凹凸ができるとパッドとの接触面が均一でなくなり鳴きが発生する。研磨またはローター交換が必要」と説明されています。

沖縄の整備工場(しろまさくら自動車 N-BOX JF1 走行93,614km)の事例では、走行後のローター表面温度が右225℃・左114℃と大きな左右差が確認され、キャリパーピストン固着によるローター引きずりが診断されました。この状態ではゴォー音とともに強い熱気・焦げ臭が発生します。


「ゴリゴリ・ギィーという金属の削れ音」→ パッド完全摩耗でローター直削り

ウェアインジケーターの警告を無視して走り続けると、摩耗材がなくなりバックプレート(金属)がローターを直接削るようになります。この段階では「ゴリゴリ」「ギィー」という金属同士がこすれる音がします。ブレーキの効きも著しく低下します。

この状態まで進むとローターへの段付き摩耗が深く入り、パッド交換だけでは解消せずローターも同時交換が必要になります。部品代と工賃が大幅に増加するため、キーキー音の段階で対処することが経済的です。


「ブレーキを踏んだ時だけ音+熱気・焦げ臭・左右の片引き感」→ キャリパーピストン固着

フロントキャリパーのピストンが固着すると、ブレーキを踏んでいない状態でもパッドがローターに軽く当たり続ける「引きずり」が生じます。走行後に片側のホイールだけ熱い、燃費が悪化した、駐車後に車が動きにくいといった症状が伴います。

ガレージSMAK(アメブロ)の整備記録には、N-BOX JF1(2014年式 走行127,800km)でキャリパーを分解すると「結構な錆具合」があり、シール類交換・清掃・パッド交換が必要だったケースが記録されています。ピストンの動きは一見問題なく見えても、内部のシール類が劣化しているケースがあります。


「リヤからのキーキー・シュー音」→ ドラムブレーキの錆・鳴き

JF1/JF2のリヤはドラムブレーキです。みんカラ整備手帳(N-BOX JF4)には「ディーラーで10回ほどリヤブレーキ鳴き修理を繰り返したが1か月ほどで再発を繰り返した」という記録があります。最終的にDIYでドラム内壁とシューの研磨・バックプレートへのグリス塗布を行い、再発がなくなったと報告されています(費用: DIYのため工賃なし)。

リヤドラムの鳴きは「ドラム内壁の錆」「シューとバックプレートの摩擦」「グリス切れ」が多く、清掃・グリスアップで改善するケースがあります。


詳細②: 費用の事例集計

実例から確認できた費用を整理します。

#出典種別車種・状況修理内容費用
1グーネットピット整備ブログ(埼玉・ワールドモーターサービス)N-BOX JF1 走行不明フロントパッド完全摩耗→パッド交換+ブレーキフルード交換+エアエレメント交換パッド6,500円・フルード1,500円・工賃6,564円 合計18,000円(税込)
2carview! みんなの質問(Yahoo!知恵袋経由)ホンダ N-BOX 走行不明フロントパッド交換(整備工場依頼)16,000円(回答者「ディーラーなら安いくらい」)
3フリークのブログ(整備工場記録)N-BOX JF1 走行66,200kmフロントパッド交換のみ(キャリパー・ローターは摩耗なし確認済み)15,000円。当初他社見積もりは約45,000円(ローター研磨・キャリパーOH含む)
4honda-yorozu.jp(整備士解説)N-BOX 全般フロントブレーキパッド交換(部品代+工賃)部品10,000円+工賃6,000円 合計16,000円
5honda-yorozu.jp(整備士解説)N-BOX 全般リヤブレーキシュー交換(部品代+工賃)部品3,000円+工賃12,000円 合計15,000円
6honda-yorozu.jp(整備士解説)N-BOX 全般フロントブレーキキャリパーOH(部品代+工賃)部品5,000円+工賃15,000円 合計20,000円
7honda-yorozu.jp(整備士解説)N-BOX 全般ブレーキディスクローター交換(部品代+工賃)部品10,000〜15,000円+工賃8,000円 合計18,000〜23,000円
8みんカラ整備手帳(N-BOX JF4)N-BOX JF4 走行不明リヤドラムブレーキ鳴き→DIYでシュー研磨・グリス塗布DIYのため工賃なし。部品費不明
9グーネット解説記事N-BOX 全般パッド清掃・グリスアップ・調整のみ3,000〜8,000円

n=9件。費用の内訳が確認できた事例(1・3・4・5・6・7)を優先して記載しています。


応急処置・確認の手順

まず音の発生パターンを整理する

整備工場に持ち込む前に以下を確認すると、診断が早まります。

音が出るタイミング音の種類疑わしい箇所
ブレーキを踏んだ時だけ「キーキー」甲高い金属音フロントパッドのウェアインジケーター接触(交換時期)
雨の翌朝だけ「ゴォー」→数回で消える低いこすれ音ローター表面の一時的な錆(自然解消)
毎回「ゴォー・ザー」が続く低いこすれ音ローターの段付き摩耗・深い錆
常時「ゴリゴリ・ギィー」金属削れ音パッド完全摩耗→ローター直削り(緊急)
踏んでいない時も熱気・焦げ臭がある音よりも熱キャリパーピストン固着(引きずり)
リヤから「シュー・キーキー」擦れ音ドラムブレーキの錆・グリス切れ

自分でできる確認

1. ホイールの熱差を確認する

走行直後(10〜15分後)にホイールに手を近づけて左右の温度差を確認します。片側だけ熱い場合、キャリパーの固着による引きずりが疑われます(やけどに注意。直接触れない)。

2. 駐車後の床の確認

ブレーキダストが片側のタイヤ周りだけ多い場合も片効きのサインです。

3. 「ゴリゴリ音」は緊急

ゴリゴリとした金属の削れ音が出ている場合、パッドが限界を超えてローターを削っている状態であり、制動距離の大幅な増加につながります。できるだけ早く整備工場に持ち込んでください。


リコール・改善対策の確認

JF1/JF2のブレーキ系リコール(2026年8月20日時点)

JF1/JF2(2011年〜2017年生産)のブレーキ系パッド・ローター・キャリパー自体に対するリコールは、2026年8月20日時点でホンダ公式リコール情報(honda.co.jp/recall)上では確認できていません。

ただし、以下の改善対策は関連性があるため確認を推奨します。

VSAモジュレーター改善対策(2025年1月31日届出)

低圧燃料ポンプのリコール(2023年12月8日届出)

必ず最初にホンダの無償修理状況検索で車台番号を照会してください。

ホンダ無償修理状況検索 — 車台番号を入力すると、リコール・改善対策・保証延長の対象かどうか、作業済みかどうかを確認できます。リコールに期限はなく、何年経過していても無償対応が受けられます。


修理か、乗り換えかの判断

JF1/JF2は2026年現在で車齢9〜15年です。フロントパッド交換(約1.5〜2万円)であれば費用対効果は明確に出ますが、キャリパーOH+パッド+ローターの同時交換が必要になると総額4〜5万円以上になるケースがあります。

「今回の修理費」だけでなく「今後3年でいくらかかるか」で考えることが重要です。JF1/JF2はCVT・エアコン・リヤウィンドウという10万円超の修理が車齢9〜15年というタイミングでまとめて来る年式帯です。ブレーキ系の修理と重なった場合、1か所直しても次の不具合が数年以内に来る可能性があります。

修理を決める前に現車の査定額を確認することを推奨します。修理してから売却すると、払った修理費はほぼ戻りません。


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